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CREATE
New Systems of Scholarly Communication
新しい学術コミュニケーションのシステムを創りましょう |
CHANGE
Old Systems of Scholarly Communication
古い学術コミュニケーションを変革しましょう |
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学術コミュニケーションとは研究者自身 のシステムです
学術コミュニケーション
とは、大学教員、研究者、そして独立した研究者達の研究や学術的活動が
創造、評価、編集、整形、流通、整理、アクセス可能、保存、利用、変換される
公式また非公式のプロセスのことを言います。
出版とは、大学教員や出版者(学会を含む)、そして図書館が中心的存在となっている
公式的なシステムです。大学教員は、他の研究者の業績を基礎として、まず研究を行い、
そしてその結果を出版者に手渡します。出版者は、ピア・レビューを管理し、加工編集し、
広く頒布します。図書館は、一次資料や新しい資料を収集、整理し、両可能にし、また、
次世代の研究者のために保存します。
学術コミュニケーションの現在のシステムは変わりつつあります。
図書館や関係機関は、学術情報資源の増大する量と高騰する価格にもはや追いつけない状況に
あります。デジタル革命が約束したはずの、費用の低減と利便性の増大は、価格の吊り上げと
利用の制限によって収入を最大限得ようとしている商業出版者によって脅かされています。
システムを変えようという計画や提案は、現在は主として、大学教員組織の外部にいる
利害関係者-出版者、図書館員、管理者、立法者、情報技術者たちによってまとめられています。
現在と未来の研究者のニーズに合った新しいシステムを確保するには、大学教員の参加が不可欠です。
学術コミュニケーション研究者自身のシステムです。その未来の形成を促進しましょう!
ARL Statistics 1998-99
現在のシステムはもはや役に立っていません
ほとんどの大学キャンパスで
雑誌の予約購読がキャンセルされ続けているため、必要な記事の所在を特定することが
どんどん難しくなっていることを感じていることでしょう。
- 商業出版者は科学系雑誌の出版の中心存在であり、最近では、社会科学系の雑誌の出版に
おいても次第に役割を増しています。そのような彼らの利益幅は40%にのぼると報告されています。
- 1986年以来、雑誌価格は年平均9%上昇していますが、その一方消費者物価指数は
年3.3%しか上昇していません。
- 1986年に比較して、1999年の図書館の雑誌購入費は170%増加していますが、
タイトル数は6%減少しています。
- 商業誌の出版者は、買収や合併を通じ、また学会からの個別のタイトルを
買い取ることより、市場支配力を強めています。
- 学会は、時には、図書館への予約購読価格の著しい上昇によって雑誌の展開を図っている
商業出版者に、自分たちの刊行物を”売却”しています。
あなたの大学の、有望な文系の大学院生は、最初の著作を出版してくれる出版者を
見付ける事が出来ないかもしれません。
- 過去15年間の間に、文系の分野での、各種機関や大学からの出版のための補助金は
実質的に消滅してしまいました。
- 図書館が今日購入するモノグラフ類は、雑誌価格の高騰と、新しい媒体による
情報資源の出現により、15年前に比較して26%減少しています。
- 多くのモノグラフ類は、10年前には1500部は販売されていましたが、今やそれは
200-400部ほどにとどまっております。
- 大学出版会は、出版費用がまかなえないという理由で、市場での売り上げが
見込めない価値ある原稿が大学出版会から拒否されています。
出版するとき、もしかしたらあなたは自分自身の研究成果を利用する権利を
手放しているかもしれません
- 著作権の譲渡契約は、通常出版者にすべての著作権を排他的に包括的に譲渡することが
要求されます。従って、その後研究成果のあらゆる公的な流通をコントロールする権利が
失われることになります。
- 利用についての制限は、教育や研究目的での個人的な配布にも適用されます。
また、一般公開されているウェブ上のアーカイブにも適用されつつあります。
学術コミュニケーションの新しい選択肢である電子出版にも、特有の課題が
あります。
- いくつかの主要な商業出版者は、法的および技術的な保護手段によって、
電子情報へのアクセスへの制限を模索しています。
- 大学構内で利用できる電子的な情報源の多くは、教員や学生がどのように
そのコンテンツを利用できるかを規定したライセンス契約によってに縛られています。
- 小規模の学会や小規模の大学出版会は、新しいメディアに投資するだけの資本を
持っていません。
- 学会は、学会誌がキャンパスネットワークを通じて利用できるようになれば
個々の教員が脱会するのではないかということを憂慮しています。
- 学会や出版会は、大学教員が,昇進と永久在任資格(テニュア)取得のプロセスに
おいて電子出版が価値を持つと理解されない限り、価値ある原稿を引きつけられな
くなるのではないかと危惧しています。
- 図書館は、電子メディアに関して、長期間保存およびアーカイブの問題を
懸念しています。
システムは変わりつつある:研究者自身が重要です。
- 学術コミュニケーション問題や、その変革への提言についての議論を
学部や学校で推進しましょう。
- 昇進やテニュア取得に関する議論のなかに,電子出版に関するものも
含めましょう。
- 学会に、高額な商業誌に対する強力な対抗手段の開発を検討することを
勧めましょう。
- 自分の学会の電子出版プログラムについて、論文を投稿したり、レフェリーを務めたり、
さらに編集委員を務めたりすることによって支援しましょう。
- 自分の学会に、商業出版者に対して出版契約を結んだり出版物販売をするなどに
代替する出版方式を調査することを勧めましょう。
- 自分の学会に、低廉な価格とユーザーフレンドリーな利用条件を維持することを
勧めましょう。
- もし可能ならば、商業出版者と結んだ契約書を修正して、
(公共のアーカイブに投稿することも含めて)自分の研究成果を利用できる権利を
確保できるようにしましょう。
- 著者、レフリーまたは編者としてかかわっている商業誌について、価格、著作権
およびライセンスについての契約事項を検討してみましょう。
- 高額誌のためのレビューを辞退するとか、編集委員を辞退するとか、
図書館が高額で利用頻度の少ない雑誌をキャンセルすることを支持しするとか、
あるいは同じことを同僚にも勧めるなどによって、自分が研究者として持つ影響力に
ついて考えてみましょう。
- 大学の知的財産に関するポリシーについて調査し、またその策定にも参加しましょう。
- 学術コミュニケーション問題を議論するために、部局の会議や大学院のセミナーに
図書館の参加を要請しましょう。
- 出版者の代表者と会うときには、図書館員も伴いましょう。
- コーネル大学やウィスコンシン大学で行われたように、
雑誌の対費用効果の研究に習熟しましょう(Create Changeホームページを参照)。
- 自分の大学図書館のSPARCへの参加を支援しましょう。<http://www.arl.org/sparc/>
- 自分の専門分野で、SPARCが支援した雑誌へ論文を投稿しましょう。
SPARC編集委員会を務めましょう。また、SPARC関係の雑誌のために論文のレビューを
行うことを承諾しましょう。
雑誌の編集者を務めているならば:
- 雑誌のビジネス的な側面に関心を持ちましょう。
- もし、権限があるならば、その雑誌を非営利出版者に移すか、
新しいジャーナルを創刊する事を検討しましょう。
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この問題についての情報は、自分の大学図書館の窓口担当者に連絡するか、
Create Changeホームページをご覧下さい。