(参考資料2)

国内における電子図書館関係研究開発等の事例




    1.学術情報センター    NACSIS−ELS

          情報処理学会など26学会の学術雑誌を対象とした一次文献の画像データベース

        を使い、従来のドキュメントデリバリー・システムと文献検索システムを統合した

        ものをインターネットのSINET上で提供。現在、利用モニターによる試行サー

        ビス実施中。

          ATMネットワークも実験的に利用。平成9年4月からサービス開始予定。



    2.奈良先端科学技術大学院大学    電子図書館

          大学院大学としての特性、研究科構成を考慮。

          「資料の種別を問わないメディアセンター」、「居ながら図書館」、「24時間

        図書館」機能。資料は媒体を問わず全てデジタル化。

          学内ネットワークに接続された個人用ワークステーションにより利用可能。

          外部ネットワークの活用、研究開発事業も行う。

          平成8年度から運用を開始した。



    3.国立大学附属図書館の例



      ・北海道大学

          (ア)北海道大学が所蔵する一部の学術資料の全文(環日本海・ユーラシア大陸

        北東部・北太平洋沿岸地域などの北方資料を中心とする)及び同大学が創出した研

        究論文(紀要、学位論文など)の全文をマルチメディア・データベース化し、広く

        学内外に提供する、学内オンライン・ドキュメント・デリバリサービスを提供する、

        (イ)要望の強い学術文献データベースを充実・強化する、などを柱とする新たな

        電子図書館化計画を推進中。

          その他、「附属図書館総合情報サービス」として、WWWを利用し学術文献デー

        タベースを学内に、OPACや図書館利用案内などを学内外に24時間提供中。



      ・東北大学

          CD−ROM二次資料データベース、OPACの検索をWWWなどにより提供中。

          図書館利用案内などをWWWによりインターネットへ提供中。

          貴重図書を電子化(イメージ化、テキスト化)し、WWWによりインターネット

        への提供を検討。

          学生が研究、学習に必要な情報を得るための支援環境としてパソコン・ラボラト

        リを設置し、WWWブラウザ、ワードプロセッサソフト、表計算ソフトを整備。



      ・図書館情報大学

          シラバス、講義録、図書館資料などを電子化し、大学の共有マルチメディア・デ

        ータベース化により、教育システムと図書館システムとの連携を図り、学内情報源

        の有機的な統合化を実現する「開放型マルチメディア電子キャンパス・プロジェク

        ト」を開始。

          著作権などの問題のない情報については、WWWなどの活用により、学外への提

        供も考慮。

          図書館のホームページでは、図書館利用案内やOPAC、図書館報、研究報告目

        次などを学内外に提供。



      ・筑波大学

          Elsevier社やISI社の学術雑誌目次速報、ADONIS学術雑誌原文情報など

        CD−ROM学術文献情報を学内LANで提供。

          古典資料の電子展示、筑波大学紀要目次速報、新着図書リスト、予約雑誌目録、

        図書館利用案内などをWWWにより学内外に提供。

          筑波大学所蔵の貴重図書の画像データベース化、及び旧東京教育大学図書目録の

        遡及入力によるデータベース化を推進中。

          今後は、貴重図書に加え筑波大学で生産された学術的価値の高いオリジナル情報

        (筑波大学紀要、学位論文、TARA研究成果、特別プロジェクト研究成果、科学

        研究費研究成果など)の全文データベース化を図るとともに、OPACなどと相互

        参照のリンクを張り、国内はもとより全世界に向け情報発信する予定。



      ・千葉大学

          「千葉大学附属図書館情報システム(CULIS)」として、図書館利用案内、

        図書館報、OPAC、図書館発行の冊子類の電子版、コレクションの解題目録など

        をWWWにより提供中。

          今後は、学内発行紀要類の目次情報の提供、新着図書の案内などを行う予定。ま

        た、マルチメディア・オン・デマンド・システムによる原情報、教材などの配信シ

        ステムを計画中。



      ・東京大学

          WWWホームページ「附属図書館マルチメディア広報」により、図書館ニュース、

        マルチメディア展示会、OPAC、CD−ROMデータベース、利用案内などを提

        供中。

          東京大学所蔵の日本関係の貴重図書を電子化し、インターネットを介して全世界

        に提供する「附属図書館の電子化」を推進中。

          ジュネーブのWHO(世界保健機関)のミラーサーバによる全世界へのサービス

        の実施について、計画中。



      ・東京工業大学

          テクニカルペーパーの目次情報を電子化し、OPACや利用案内などとともにW

        WWにより提供中。また、ドキュメントデリバリシステム(Ariel)を試行中。

          今後は、二次情報データベース、OPAC、ドキュメントデリバリシステムを統

        合し、情報検索から文献入手までを研究者の手元の端末から行える理工系のドキュ

        メントデリバリセンターを目指す。



      ・長岡科学技術大学

          WWWによりOPAC、外国雑誌目次データベース、Library Current News

        (速報版)、長岡技術科学大学紀要の、目次情報などを提供中。インターネットに

        よる外国雑誌目次データベースの対高等専門学校利用システムの構築、長岡技術科

        学大学博士論文データベースの構築、WWWによる図書館利用案内システムの構築

        を予定。

          今後は長岡技術科学大学紀要類のデータベース化や理工系基本図書データベース

        の構築について検討。



      ・京都大学

          平成6年、電子図書館システム「Ariadne」で我が国初の電子展示を実施。

        WWWによりOPAC、図書館利用案内、附属図書館所蔵の維新特別資料文庫の画

        像データベース、蔵経書院本(仏典と類縁典籍)目録データベースを公開。

          また、学内LANでCD−ROMを提供中。

          今後は、重要文化財指定貴重書を画像データベース化し、インターネットで公開

        予定。



    4.国立国会図書館    関西館(仮称)構想

          平成6年12月に国立国会図書館建築委員会から勧告。

          平成14年度に開館予定。

          高度の情報技術を応用して文献の情報処理を行い、高速かつ簡便にその電送を行

        うなどの施設として、本館(東京)と一体システム化し、文献情報の提供、総合目

        録データベースの作成、外部ネットワークとの接続、電子出版物の収集・利用提供

        体制の整備、従来型から電子媒体への変換などを促進。

          紙媒体資料の遠隔配置問題、資料保存、電子納本も考慮。



    5.電子図書館研究会    Ariadne

          関西文化学術研究都市推進機構学術委員会の援助によるもので、平成4年から富

        士通と共同開発。

          サーバは京都大学で、けいはんなプラザ、国立京都国際会館などをATM、B−

        ISDNにより接続。WWWを使用。

          各方式での図書・論文検索、読書支援が可能。