現在、中央教育審議会大学分科会において大学設置基準の改正に向けた議論が進んでいるところです。これを受けて、大学設置基準改正に対する国立大学図書館協会の考えをまとめました。
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大学設置基準改正に対する国立大学図書館協会の考え
令和4年5月20日
国立大学図書館協会
平成30(2018)年11月26日に公表された中央教育審議会の「2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」を受けて、文部科学省では大学設置基準の改正に向けての検討が開始されました。令和4(2022)年3月18日には、中央教育審議会大学分科会質保証システム部会から「新たな時代を見据えた質保証システムの改善・充実について(審議まとめ)」が示され、その後も引き続き、大学設置基準の改正に向けて議論が進んでいる状況です。
国立大学図書館協会(以下、国大図協という)では、この動きを受けて、平成30(2018)年度に大学設置基準において示されるべき大学図書館機能についての検討を開始しました。爾来継続的に検討を重ね、令和2(2020)年度からは、国公私立⼤学図書館協⼒委員会へと議論の場を移し、公立大学、私立大学の図書館関係者も交えて議論してきました。その結果が、改正試案として同委員会のウェブサイト上で公表されていますⅰ 。この改正試案は、大学図書館機能が教育研究にとって不可欠な存在であり、特に教育の質保証を果たす上では必須であるという観点から作成されたものです。その実現のために紙媒体に留まらない各種資料や多様な学習の場を提供し、それらを運用する専門的職員を配置するといった提言をしています。
国大図協は、令和3(2021)年6月に策定した「国立大学図書館機能の強化と革新に向けて~国立大学図書館協会ビジョン2025~」(以下、ビジョン2025という)ⅱにおいて、今後の国立大学図書館のあり方を示しましたが、大学設置基準における大学図書館機能や専門的職員についての規定はこのビジョンの大前提といえるものです。国大図協は、それゆえ、早くから大学設置基準の改正にかかる議論の動向に留意し、改正に向けた具体的な議論を進めてきました。今後は、「ビジョン2025」が示すあり方に沿った様々な活動を通じ、多様化する図書館へのニーズに対応するための大学図書館機能や専門的職員に求められるスキルなどを具体的に示していきたいと考えています。
ⅰ 国公私立大学図書館協力委員会ウェブサイト「大学設置基準改正タスクフォース(大学設置基準改正試案)」
https://julib.jp/docs/university-establishment-standards
ⅱ「国立大学図書館機能の強化と革新に向けて~国立大学図書館協会ビジョン2025~」
https://www.janul.jp/ja/organization/vision2025
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