Michael Rosenzweig氏からのメッセージ | |||||||
|
|||||||
Evolutionary Ecology Research誌 発行者・編集長
同僚の皆さん: CREATE CHANGEWebサイトにようこそ! このページではCREATE CHANGE の提起する重大な問題を取り上げます。 このサイトを閲覧した上で、その提起 する問題点について考え、仲間と話し合い、行動を決意されることを願います。私たち学者・教員は 学術コミュニケーション・システムの主導権に関する非常に深刻な危機を迎えています。 CREATE CHANGE の目的は単純明快です。それは、学術コミュニケーション の主導権を本来の所有者である学者・教員の手に取り戻すことです。 事実、皆さんもそして私も、 本来は学者・教員や学生のためにあるはずのシステムを管理する権利を失ってしまいました。 私たちに代わり主導権を握ったのは商業出版者です。利益の極大化、それが彼らの目標です。 私たちに奉仕するはずのシステムは敵対的買収を介して利益重視のプランナーによって牛耳られ ています。学術研究情報の普及などは後回しにされているように思えます。 利益が優先されたときに何が起こるのかは、
私自身が体験してきました。 1987年、私に忠実で頼りになるこの英国の出版社は International Thomson Corporation(ITC)による敵対的買収を受けました。質とサービス が低下したというのに、図書館向け購読価格は12年間に800ドルと700%も跳ね 上がり、年率19%の価格上昇を見ました。 1998年、私は利益に関する異常な事実に 気づきました。この出版社は250,000〜300,000ドルの売上から170,000〜220,000ドルの 利益を得ていて、マークアップは275%、利益率は実に75%だったのです! 同じ年の その後、ITCはさらに貪欲と目されていたWolter-Kluwerに身売りされました。私と私の同僚が競合誌となる別の学術誌Evolutionary Ecology Researchの創刊を決意したのはまさにこの時でした。 革新的な戦略を採用した私たちは インターネット/印刷媒体を組み合わせた出版物にわずか305ドルという年間購読価格を 設定することができました。ちなみに、Evolutionary Ecology's の年間購読価格は162%も高い800ドルでした。 私はこのような法外な 価格設定が学術コミュニケーションを蝕んできたと考えています。また、私は今こそ 私たち学者・教員が行動を起こすときだと考えています。 何も私は、私がしてきたような 競合誌の創刊を皆さんに呼び掛けているわけではありません。確かにやりがいのある仕事 だったとは言えますが、本業であるエコシステムの研究者としての仕事が一時的に おろそかになったという事実があるからです。 競合誌の創刊以外にも皆さんに できることはたくさんあります。事実、然るべき改革を引き起こせるのは皆さんを置いて 他にいません。皆さんがより開かれた研究情報を求めない限り、そして、皆さんが情報の 価値に見合った妥当な価格を求めない限り、それらは得られないでしょう。 それでは、皆さんに何ができるのでしょうか? まずは、学術コミュニケーション危機についてできるだけ多くを学んでください。CREATE CHANGEWebサイト がその出発点であり、このサイトのリンクから詳しい情報を得ることがで きます。次に、図書館員に語りかけて、あなたの図書館にどのような問題点があるのかを 質問してください。図書館は問題にどのように対処しているのか?学術誌のキャンセル など、削減の現状はどうなっているのか?暴利をむさぼる出版社はどこか?を聞くの です。また、知識の豊富な消費者になってください。専門誌に掲載されている 費用効率データについて図書館員に紹介してもらってください。 2番目に、問題点が明らかになったら、教授会、自分の所属する学科・学校や学会 などの然るべき組織にその問題点を持ち込んでください。また、全権利を放棄しない と発行できないなどと多くの出版者が学者・教員をそそのかす知的所有権について 議論してください。 3番目に、個人単位で、あるいは集団で行動を起こしてください。暴利をむさぼる 出版者に手紙を一通出すのが精一杯かもしれませんが、それでも大きな影響を及ぼせる 可能性があります。 さらに積極的に動くことも可能です。皆さんあっての出版者であり、皆さんなし で彼らが存続することはありません。学術的な価値観よりも利益を優先させる出版社 であれば、仕事を断ってください。査読することをやめるのです。編集委員を辞任 するのです。図書館の、そして学者・教員の立場に立てる学術誌だけに投稿するよう にしてください。 本来は私たちに権利がある、学術コミュニケーションを私たちの手に取り戻す運動 に是非参加してください。 敬具 Mike Rosenzweig
Evolutionary Ecology Researchの事例について詳しく知り たい方は私のWebサイトhttp://www.evolutionary-ecology.com/を ご覧ください。
| |||||||
|
|||||||